いつもと変わらない学校








いつもと変わらない放課後









なにも変わらないはずなのに…









こうも気が重いとなあ…







俺、何かしたか?

皆が困るようなことしたか?






もう…何も分からねえ…



放課後、俺は一人で下校していた。


帰るやつがいねえ…



啓吾も水色もたつき、井上、石田、チャド…


学校の連中だけじゃなく、親父や遊子、夏梨、そしてルキアまでもが…


皆俺には冷たくなった。



…俺は皆に何をした?


自分では気付かないうちに誰かを傷つけていたんだろうか…?

それともただ単に…



俺は最初から仲間じゃなかったのだろうか…?





この前の事だった

「そういやチャド、水色、今度の休み結局どうするよ?」

「む…何の話だ?」

「何のって…今度の休みに出掛けるっていう話してただろ?」

「え…そんな話してたっけ?」

「してただろ?なんか啓吾のやつ、『仲間外れにはされないんだ〜!』とか言って喜んでただろ?」

「そうだっけ?」

「む…覚えていない…」

「おい…二人して忘れたのかよ?」

「だってその日、僕は彼女とその友達数人と何故か啓吾も一緒にショッピングするつもりだよ」

「俺も…ギターの弦を換えに行く予定だ」

「え!?そうなのか?」

「一護の勘違いじゃない?僕たちはしらないよ?」

「うーん…そうだっけか…?悪りぃ、忘れてくれ」






その時は本当に俺の勘違いだと思っていた。だが、よく考えると確かにそんなふうな話はしていた。


本当に俺だけが覚えててあの二人が忘れたなんてことがありうるのだろうか…?





意図的なことじゃないだろうか…





そういえば前に最近、虚の数が減ったと思ったが実はそうではなかった。





虚はルキア一人で倒しに行ってたんだ。

前に肩から血を流して帰ってきた時に初めて知った。


どうして俺に黙って行ったのかを聞くと、「いつも貴様にまかせておくわけにもいかないから」と言うだけだった。


…だからといって俺に一言も無しでいくか?


…もう…分からねえ…俺は本当にもう仲間じゃないのか…?




いつか…バウントの狩矢と戦った時、狩矢はこう言った。


「長い時を隔てれば、信じ合っていた仲間も、いずれ貴様の力を恐れ離れて行く。」













…そんなことは無い…!!

無いはずなんだ…



…だが今の俺にはそう断言できるのか…?















………………俺は………………
誰だ…………?



俺は『黒崎一護』だ。
でも明らかに前までの『黒崎一護』とは別人の感じがする…。





もう…自分が誰なのか分からなくなる…





皆は俺が居ない方がいいのだろうか…?




…皆が本当にそれを望むのなら…

俺は消えたほうがいいのかもしれない。





よくニュースなどで自分から人生を閉ざす奴がいる。


前まで俺はそういう奴等の気持ちが理解出来なかった。


死んじまったら何もかもが終わっちまう。

残された家族や学校の仲間の気持ちも考えず何をしているんだって…





でも今はそんな奴等の気持ちが分かる気がする…




…こんなにつらかったんだな…



気付けば俺は自分の家の前まで来ていた。

正直、家族に顔を見せる気がしない…





「ただいま…」
俺は気が重いまま玄関を開けた。


すると…






「遅ーーーーーーい!!!」






ガン!!





「いってぇ…」



親父…!?なんだよ急に飛び蹴りして来やがって…!


「いつもいつも遅く帰って来やがって!今何時だと思ってんだこの不良息子!」

「ああ!?今は6時半だぞ!?ウチの夕食は毎晩7時だろ!?」


それにここ最近は7時以降に帰って来ても、ずっとそんなこと言わなかったくせに…


「それはいつものことだ!今日は特別に1時間早いのだ!」

「は!?知らねえよ!つーか何でだよ!!!」

「何言ってんだ!今日は…」







「二人とも何ケンカしてるの!?みんな待ってるよ!」

と、俺と親父が喧嘩していたらリビングから遊子が呼んできた。





…みんな…?





「そうだ!さっさと行け、このバカ息子!!!」

「うわ!?」






俺は思いっきり親父に投げ飛ばされ、リビングに入った。



…すると…






パーンパーン!!!!





突如大量のクラッカーの音。








「一護!!!誕生日おめでとう!!」





俺の前にはクラッカーを両手に持ったルキアが立っていた。


よく見ると周りには夏梨やチャド、井上、石田、たつき、啓吾、水色、そしてなぜかドン・観音寺がクラッカーを手に持ち、俺を見ていた。






そうだ…






俺…今日、誕生日だった…!


「一兄、何その『忘れてた』みたいな顔は」
「何、一護自分の誕生日まで忘れてたの!?」

「な〜に自分の誕生日忘れてんだよ!もっとこうパーット盛り上がろうぜ!!」
「あれ?浅野さん、いつ来たの?」
「水色!こういう時ぐらい敬語やめて〜!俺最初から居たから!!」


「…ム」


「黒崎くん!石田くんと私で手作りのプレゼント作ったんだよ!」
「僕はプレゼントを作る気もパーティーに来る気も無かったけど、井上さんがどうしてもって言うからね…」


















夏梨、たつき、啓吾、水色、チャド、井上、石田…



















みんな…俺のために集まってくれてたんだ…













「それでは私がマイ一番弟子のためにスーパーイリュージョンを…」
「オッサン、あんたは黙っててよ!」
「え〜、いいじゃん夏梨ちゃん!やってもらおうよ!!」
「さあいくぞ!ボハハハハーーーー!!!」










…つーか…なんでドン・観音寺までいるんだ…

















「一護、とりあえずお前は部屋に戻って制服を着替えてきたらどうだ?」
「あ…ああ…そうする…」







俺はとりあえず二階に登り、自分の部屋の中に入った。




「よお一護!下はスゲーな!みんなお前の為にパーティーの準備だぜ!?羨ましいぜ…」

コンは部屋に入ってきた俺に話かけてきたが、俺はその話にかまうほど余裕じゃなかった。


「ん…?なんだよ一護。泣いてんのか?」

「……うるせえ……!」









すっかり夜になり、みんな自分の家へ帰っていった。





俺は少し外の空気が吸いたくなり、屋根の上に登った。


今思えば何故俺は悩んでたのかがわからない。
すっげえ馬鹿馬鹿しくなる…






「一護、こんなところに居たのか」
「ルキア…」




空を見上げてたら後ろからルキアが声をかけてきた。







「どうだこのサプライズは!!これは全て私が考えたものなのだぞ!」
「…へえ…お前が…」




そりゃ余計に馬鹿馬鹿しいぜ。









「…一護、手を出してくれぬか?」
「あ?ああ…」





俺はルキアに言われた通り、右手を前に出した。










するとルキアは俺の手の上に何かを置いた。























「…なんだ…これ?」

















その手の上には金色のネックレス。

羽のような形をしているように見える。





よく見ると、そのネックレスの断面に『ichigo』と、自分の名前が彫られていた。















「ルキア…これ…俺に?」
「そうだ。…気に入らなかったか?」

「そんなことねえよ!……ありがとな//」
「……///」






俺達はしばらく黙ったまま何も言わなかった。





「…そういやお前、これいつ手に入れたんだ?」
「ああ…虚退治した後にデパートまで買いに行ってたのだ。…まあ…前はその事ばかり考えていて、ミスをしてしまったがな」



なるほど…だから俺に何も言わずに…




「…って、物買うのにそんな何回も行かなきゃならなかったのか?」
「まあな…どれにしようか迷っていたし、名前を彫るのも時間かかるし、何より金を集めていたからな」
「金って…これ、いくらしたんだ?」
「…たしか…1万ぐらいだったか…」
「い…1万!?」





な…そりゃ金足りねえよ!
そんなに高いとは…!









「…でも、尸魂界でならもっと安く売ってたんじゃねえの?それにお前ん家なら…」
「いや、現世で自分の金で買いたかったのだ」
「な!?なら余計に受けとれねえよ!!その1万を払ったのはお前だし…!」



「いや、その必要はない」
「?」





ルキアは自分の首にかけていた物を外し、俺に見せてきた。













…それは、俺がもらったのと全く同じのネックレスだった。
ただ違うことと言えば、左右逆の形をしていることと断面には『rukia』と書いてあった。





「…二つで…1万だ。だからひとつ5千円だな。だから私はもう持っておる」
「…お前…」
「一護、ネックレスを前に出してくれ」
「お…おう」






俺はルキアに言われた通り、ネックレスを前に出した。






するとルキアは自分のネックレスと俺のネックレスのギザギザしている所をくっつけた。















するとそのネックレスは1つのハート形になった。




「!これ…ペアネックレスだったのか!?」
「そうだ…これで文句ないだろう?」




ルキアは俺に笑顔で説明した。










…こりゃ…今日ばかりはこいつにはかなわねえ…













「ありがとう、ルキア」















俺はもう一度ルキアに礼を言った。


ルキアは何も言わずに少してれくさそうにうなずいた。


















命を失った人たち、生きてりゃもちろん納得いかねえこともあるが、生きてないと得られないものなんてたくさんあるんだ。










少なくとも、今俺は……


















幸せです







★あとがき★





・・・ということで、一護誕生日記念です!

病んでる〜〜〜!!!?('A`|||)


一護超病んでる!!これぞヤンデレ!!(`□´/)/


少しは短くしようと思ったのですが・・・
前より長いじゃないか!!( ̄▽ ̄;)


この話に沿ったイラストもアップしましたので、そちらもぜひ見て下さい!m(_ _)m

一護!誕生日なのに病ませてごめん〜〜〜!!!!(TдT)ノ

とにかく!一護!誕生日おめでと〜!!(≧▽≦)

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!


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一護が女子だ( ̄▽ ̄;)www


確か誕生日にみんなが冷たくて病んだのは私の実話だった気がするww
放課後わざと冷たくしてたんだよーってプレゼントもらった気がする() back